死を意識し出してから考えはじめる「身辺整理」のこと。
最近よく耳にするけれど、
「身辺整理って具体的に何をすることなの?」
「身辺整理や終活をするような年齢じゃないと思うけれど、いつはじめるべき?」
と、お考えの方も多いのではないでしょうか。
こんにちは。
コブツマニアの榛田(はりた)です。この記事では、そんな身辺整理についての疑問にお答えすべく、死ぬ前にやっておきたいことやその手順、方法などをくわしく解説します。
身辺整理は部屋の片付けのことだけではない
終活において行う「身辺整理」というのは、単に部屋を片付けることではありません。
文字通り、自分の身辺のありとあらゆることを整理していきます。
物理的なモノはもちろんのこと、財産や契約しているサービスなど、「今の自分にとって本当に必要なのかどうか?」を考えながら様々な身辺の事柄を取捨選択していくことなのです。
身辺整理で行うべきこと
身辺整理をやった方がいいと分かってはいるけれど、「具体的に何からはじめれば良いか分からなくて、全然手を付けられない」という方も多いのではないでしょうか?
ここからは、具体的に身辺整理で何を行うのかを順番にご紹介します。
部屋を片付ける
身辺整理を行う上で、メインとも言える部屋の片付け。
しかし、片付けは普通の整理整頓と違って、必要なものとそうでないものを仕分けていく、いわゆる断捨離の意味合いが強くなります。
終活での身辺整理においては「どんどん物を手放していく」ことが一番大切なのです。
部屋を片付けるコツ
1.とにかく処分する
先ほども述べたとおり、身辺整理の片付けで重要なことは、とにかく物を減らすこと。
目についた物からどんどん手放していきましょう。
手放す際、「いる」か「いらない」かで分けるのではなく「使う」か「使わないか」で分けていきます。
例えば、「いつか使うかもしれないから…」と押し入れにしまいっぱなしになっているものはありませんか?
「いつか使うかも…」は一生使いません。すぐに手放してしまいましょう。
2.大型のものから手放していく
目に見えて大きい家具や家電がなくなると、一気に片付いて見えます。
片付けが成功するかどうかは、どれだけ自分のやる気を維持できるかにかかっています。「片付いた!」という気持ちを早い段階で感じることは、実はとても大切なんです。
現在使っていない大型家具や家電はまとめて粗大ゴミに出してしまいましょう。
財産関係を整理する
自分の死後、家族が相続する際に困らないよう、財産を整理することも身辺整理において大切です。
まずは、自分が管理している財産をすべて把握することからはじめます。
例えば、
- ・預貯金
- ・土地/建物(借地権含む)
- ・不動産
- ・自動車
- ・株など有価証券
- ・生命保険
- ・メモを暗号にしておいて解き方だけを家族に伝える
- ・最後の二桁だけ自分と縁のある数字にする
- ・IDとパスワードをリスト化して金庫に入れて保管する
- ・どんな葬式にしたいか
- ・お墓をどうしてほしいか
- ・訃報を伝えてほしい友人のリスト(連絡先もあれば記載する)
などが、財産にあたります。
財産をまとめてなんらかの方法で伝わるようにしておかないと、相続手続きはかなり大変になります。
リストをまとめ、不動産登記書類・通帳・保険証券などの保管場所を家族に伝えておきましょう。
死後の連絡先や必要情報だけでも一覧表にしておくと分かりやすいですよ。
また、どれだけ資産があるかを今のうちに把握しておくことは、自分がこれからの人生で使える財産を知ることにも繋がります。
使っていない預金通帳やクレジットカードはありませんか?それらをまとめて解約することも身辺整理です。
パスワードやIDを家族に伝えておく
相続手続きをスムーズに済ませることができるよう、金融機関・支店名・口座番号・ネットバンクなどの契約者番号に加え、ログインするためのパスワード・口座の暗証番号も事前に家族に伝わるようにしておきましょう。
しかし、パスワードなどを安易に紙に書いて貼っておくようなことをしてはいけません。
例えば、
など、家族と自分だけがわかる方法や保管場所で伝えるようにしましょう。
写真・動画などのデジタルデータも仕分けが必要
今や様々な情報をデータで管理する時代です。
誰にも見られたくない自分だけのデータもあれば、自分の死後、家族や友人に残しておきたい写真や動画もありますよね。
今のうちにそれらを分けて管理しておきましょう。
見られたくないデータは、ファイル暗号化アプリを使用することで、パスワードを知っている人しか見れないようにするという方法があります。
【アタッシェケース #3】という無料のファイル暗号化アプリを使用することで、パスワードを設定してファイルを暗号化しておけば、誰にも見られることなく、ファイルを保管しておくことができます。
さらに最近では、自分の死後にデータを勝手に削除してくれるソフトやアプリもあります。
知識として覚えておくと使えるかもしれません。
日記など人に見られたくないモノの処分方法
データは暗号で管理できますが、日記など物理的なものはどうしても残ってしまいます。
自分の死後に見られたくないとは言え、今すぐ捨てるわけにもいきませんよね。
そういうものは、自分が亡くなった後、棺に入れてもらうように遺言に書かれる方もいます。
どうしても形として残ってしまうため、ある程度は仕方ありませんが、棺に入れてもらうようお願いしておけば、葬儀などでバタバタするタイミングで、読まれることはほとんどないでしょう。
しかし、日記や手帳がたくさんある場合はすべて棺に入れるわけにもいきません。
これを機に、日記もまとめてデジタルにしてしまうのも良いかもしれませんね。
オンラインの情報を整理する
SNSやブログ、ホームページなどに「自分の死後、訃報を記載してもらいたい」などの要望がある場合は先に家族に手を打っておくことをおすすめします。
アカウントを消してもらいたい場合もそうですが、ログインするためのIDやパスワードを共有しておく必要があるため、先ほど述べた「パスワードやIDを家族に伝えておく」方法と同様、メモに書き記したりせず、家族や大切な人にだけ伝わるように残しておきましょう。
FacebookやInstagramには、死後にアカウントを削除してくれる機能が実装されています。
周りの方から追悼が届いたら、その方が亡くなったと判断され、自動的にアカウントが削除される仕組みです。
周りの人の協力がなくては成り立ちませんので、今のうちから周りの人にお願いしておくと良いかもしれません。
自分が死んだ後のために整理?
「死んだ後のことなど、なぜ気にするのか?」という意見もあります。
確かに、実際自分が死んでしまった後に自分の持ち物がどうなろうと、知る由もないのですから、全て残して死んでも良いのでは、と考える方が自然でしょう。
しかし、「身辺整理」はなにも死んだ後のためだけに行うことではありません。
「家族に遺品整理で手を煩わせないように」
「相続がスムーズに行くように」
は、いま生きている自分や家族を安心させることにも繋がります。
「これはどうしよう。あれはどうしよう。」という焦燥感に駆られていては、生きづらいですよね。
そういう心のつっかえがない方が安心して生活できるのではないでしょうか?
身の回りのことを整理した自分を想像してみてください。
残りの人生を、よりスッキリと豊かに暮らすためにも、身辺整理をはじめてみませんか。
身辺整理を早めにはじめるべき理由
今まで健康体だったから明日も大丈夫。なんてことはありません。人間、生きている限りいつ何が起きるか分からないのです。
部屋の片付けは、不用品の運び出しや処分など、思いのほか重労働になります。
さらに、家族に伝えておきたいこと、自分の死後の要望もしっかりと判断力のあるうちに書き記しておいた方が良いでしょう。
「まだそんな年齢じゃない」と思う方もいるでしょうが実際、30代から身辺整理をはじめる方もいらっしゃいます。
残りの人生を無駄なく豊かに過ごしたいという気持ちがあれば、元気なうちに早めに取り掛かるのが良いと思いませんか?
いつまでにやらなければいけない。という決まりはありませんが、いつできなくなるか分からないという事実があります。今できるうちに早めに始めておきましょう。
身辺整理の際は「エンディングノート」を使うのがおすすめ
エンディングノートって?
エンディングノートとは、自分の死後の要望などをはじめ、家族への思いをしたためるものです。遺言書と異なり法的効力がないため、決まった形式などは存在しません。
自分が亡くなった時だけでなく、意思疎通が取れなくなってしまった時のためにも、何を伝えたいかを書き記しておくことができます。
身辺整理を行うにあたって、近年このエンディングノートを使用する人が増えています。
例えば、
などを書き記します。
書いた後に気が変わったり、要望が増える場合もあるでしょうから、毎年、誕生日にエンディングノートを更新するといいですよ。
まとめ
部屋の片付けにしても、エンディングノートに死後の要望を書き記すにしても、体力や判断力がなければ、身辺整理はできません。
元気なうちに早めに取り掛かるのがおすすめです。
思い立った時がはじめ時。残りの人生をスッキリ暮らせるようにしましょう。
身の回りのことを整理することで、自分にとって本当に大切なものが何なのかを知るきっかけにもなりますよ。
部屋の片付けをしていて、重いものや大型家具・家電の運び出しが大変だという場合は、身辺整理のお手伝いもしているわたしたちコブツマニアにご連絡ください。
「依頼することはまだ考えていないけど、ちょっと話を聞いてみたい」というご相談だけでも大歓迎です。お電話をお待ちしております。